脂肪腫の検査と診断、治療法について解説します。脂肪腫などの腫瘍は軟部腫瘍と呼ばれ、外観や画像診断だけでは判断することが非常に難しいといわれています。
「あれ? 背中にプックリふくらんだオデキのようなものができてるな。触ってみるとプニプニしてる。痛くもなんともないな。ひょっとして悪い病気?」そんな症状があったら、脂肪腫であることが考えられます。脂肪腫とは皮下脂肪が部分的に増殖したものをいいます。ほとんどが良性ですが、まれに悪性のものもあります。悪性のものは脂肪肉腫と呼ばれます。皮下脂肪ですので、体中のどこにでもできる可能性があります。一般的に背中や肩、首になどにできやすいようです。また、上腕、臀部(おしり)、大腿などにも発生することがあります。発生原因についてはよくわかっていません。40〜50代の女性で見られることが多く、男性では筋内などの深部で発生することがあるようです。皮膚がぷっくりと膨らんだような外観をしています。痛みなどの症状ははなく、指で押したりしても痛くはありません。触った感じはやわらかく、プヨプヨしています。長い時間をかけて少しずつ大きくなります。脂肪腫はまれに悪性であることもあるので、脂肪腫のような症状に気がついた場合は、整形外科医などの専門医に相談するようにしましょう。
脂肪腫などの腫瘍は軟部腫瘍と呼ばれ、外観や画像診断だけでは判断することが非常に難しいといわれています。しかし、脂肪腫だけはCT(コンピュータ断層撮影)やMRI(磁気共鳴診断)によってかなりの精度で診断することができるようです。悪性の脂肪肉腫であるかどうかについては、脂肪腫を摘出して精密検査(生検)をしないと判断することはできません。いずれにせよ、症状に気がついたときには、専門医を受診したほうがいいでしょう。ちなみに、悪性の脂肪肉腫は10万人に1〜2人と言われるほど非常に稀な腫瘍です。脂肪肉腫は、高分化型・粘液型・円形細胞型・多形細胞型の4つのパターンに分けられています。分化型と粘液型は予後が良好といわれ(5年生存率70〜85%)、円形細胞型と多形型は予後が不良といわれています(5年生存率20%)。脂肪肉腫の治療法としては、手術と補助療法(化学療法、放射線療法)が考えられています。
脂肪腫の治療法としては手術による摘出ということになります。皮膚の直下にあるため、局所麻酔によって比較的簡単に摘出できることがほとんです。しかし、脂肪腫が大きすぎる場合には、簡単に摘出することができず、麻酔を何度も行ってからでないと摘出できないという事態に至ることもあるようです。また、脂肪腫を覆っている非常に薄い膜が破れてしまった場合、周囲の脂肪組織との区別が難しくなってしまうこともあります。そうなると、簡単に摘出することができなくなってまい、結果的に周囲の脂肪組織と一緒に摘出されてしまう可能性もあり得るようです。摘出後は十分に止血が施され、血腫を予防します。必要に応じてドレーンを挿入したり、圧迫固定されることもあります。脂肪腫が大きい場合は、脂肪吸引術が用いられることもあるようですが、あまり一般的ではないようです。手術後の予後は良好で、再発することはほとんどないと言われています。